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時たまラクガキとテキストを綴ってる腐った日記です。此方で頂いたコメントのお返事は、PCサイトのお返事と共通させて頂いています。お手数ですがリンクからご移動下さい。

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ちびクラ裏話。

ピクシブや此方での拍手、コメント、タグ、評価等、誠にありがとうございます。
正直な所、カップリングの話ではないし、幼児化(特殊設定)だしで読まれないだろうと高をくくっていました。しかし予想をしない程のお声を頂き……本当に吃驚しています。嬉しさより先に、何事かとビビリの私は思いました…。(苦笑)



需要があるかは謎ではありますが、ちびクラの今後の予定と裏話でも少し……。

ちびクラの派生はニブルヘイムにあるオーディーンのマテリアから関係性を調べたのがきっかけです。
そこでオーディーンとクラウドの共通点の多さに独りで興奮してこの話ができたのですが、実を言いますとちびクラでの書きたいシーンは、まだ書いていません。

そのシーンの為だけに最終話で布石を置きました。
続きを書くつもりではいるのですが、まだプロットがまとまっていません。すみません…。
また連載形式にするか、番外編として短い話を作るか、そこすらまとまっていませ………(゜Д゜ )

更にぶっちゃけますと、ジェネシスとオーディーンにも意外な共通点があるのです。
(オーディンのWikiを調べたら恐らく今後の展開の一部ネタバレになりますのでご注意下さい)

だからジェネシスを交えた話も書きたいし、セフィロスが天然タラシをクラウドに発揮する話も書きたいし(笑)、カンセルに懐くクラウドも書きたいんですよね……。(揺ぎ無い微かなカンセル押し/笑)



そういえば、調べていくうちに更に吃驚した事がありました。

ACでクラウドの乗っているフェンリルですが、此方は北欧神話ではオーディンを殺す狼の名前になります。この狼の親がロキといいまして。(この辺は有名ですね)

実は、オーディンが乗っている愛馬のスレイプニールもまた、ロキの子供だと記載されています。

そこから血縁関係といいますか、オーディーンとクラウドの師弟関係を想像して盛り込んだのですが、予想以上に設定が噛み合ってくれて良かったと思います。



そう、そして……こちらで盛りに盛った設定の後だったおかげでしょうか……?

「鎮魂ノ歌」を新しくピクシブにアップした所、設定を期待するとのタグを頂いている事に気付きまして……思わず鎮魂のプロットを三度見程しました……。(苦笑;)


大変恐縮です。ありがとうございます。ご期待に添えられるよう、精一杯努力します。

拍手[4回]

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ちびっ子クラウド奮闘記。16

シスネが男達を拘束し終わるのを見計らって、セフィロスは溜息と共に正宗を下げた。
これによって場の緊張が一気に緩む。ドラゴンは至って警戒したままではあったが、殺気は無くなっていた。オーディーンが何やら話しかけているようで、どうも此方は此方で説得の真っ只中であるらしい。

セフィロスが正宗を仕舞うのを見て、クラウドは緊張の余りにガチガチに硬直していた身体から力を抜く。だが、依然として己の心音は煩いままだった。どくどくと脈打つそれは、ふいにガタガタと震えだす。


「え?」


それは自分ではなかった。抱きしめたままの卵が自発的に動いていたのだ。クラウドの驚いた呟きにザックス達が何事かとクラウドを見ると、クラウドが抱いている卵がガタガタと震え、卵の中からゴツン、ゴツンと衝撃が走っていた。


「え、まさか……」


目を瞬き、ザックスが思わず呟く。孵化すると気付いたが、あまりの突然の出来事に卵を見入ってしまい動けずにいた。その中で唯一カンセルだけが、慌てながらこの場から離れるようにと指示を出す。


「クラウド、もう大丈夫だから卵をドラゴンに返そう」


カンセルの言葉にクラウドは頷く。慌てながらも、ゆっくりと卵を巣の中央に戻し、クラウドはザックスと共にアンジール達の元へと駆けて行く。
カンセル、エッサイ、セバスチャンは、シスネに拘束されていた男達を担ぎ上げ、巣の傍から離脱した。
人が巣の傍から居なくなったのを見計らい、ドラゴンが巣に戻る。そして卵を大事そうに抱えた。

アンジールの元に戻ってきたザックス達の横で、クラウドはオーディーンの元に駆けて行く。それに釣られるように、狼達もまたオーディーンの傍へと戻ってきた。オーディーンは大事そうにクラウドを担ぎ上げ、その頭を撫でた。


「剣、使わないでくれてありがと」


オーディーンにそう言い、クラウドはオーディーンの首元に抱きつく。横で微笑ましく見守っていたソルジャー達の中で、セフィロスだけが不機嫌に疑問をぶつけた。


「剣を槍に替えたのは何故だ」

「……あれ使うと、絶対死ぬから」


セフィロスの質問に答えたクラウドの言葉に、セフィロスは更に機嫌が悪くなる。


「手加減をしていただと?」

「あ、もしかして! 俺を助けた時にニブルウルフを真っ二つにしたやつ!!」


ザックスの一言でオーディーンの特性を思い出す。オーディーンは一撃死攻撃をする召還獣であったことを皆が思い出した。途端、セフィロスを覗くソルジャー達の顔色が一気に青くなる。


「まぁ、良かったではないか。一撃死を食らっていたら、オーディーンと戦えなかっただろう?」

「………」


納得いかないとギロリとアンジールを睨むセフィロスに、ガチで戦う気だったのかよ! とザックスが叫んだ時だった。
卵が割れる音が大きく響いた。ああ、産まれたのだと誰もが思い、その口を閉じた。
敵対していた者達が今、新しい命の誕生を見守っていた。新しい命は懸命にその翼を広げ、そして天に向かって産声を上げる。その産声は、クラウドの苦労を全て拭ってくれた。

見守っていたアンジールはクラウドの傍に寄り、声をかけた。


「君がいなければ、俺の部下もドラゴンの子も助からなかった。ありがとう。よくがんばったな」


微笑んで感謝するアンジールの顔を、クラウドは凝視してしまった。
アンジールの言葉は、密猟者達を助けてしまったせいでドラゴンを危険に晒してしまったと、心のどこかで悔やんでいた気持ちを払拭させてくれる。
少し離れた場所にいたザックスと目が合うと、ぐっと親指を立てて笑顔で労ってくれた。

自分はザックスとトモダチになることを拒んでいたのに、ザックスはトモダチだと言って駆けつけてくれた。ザックスは、うそつきではなかったのだ。


一気に緊張の糸が切れたらしく、クラウドはくしゃくしゃに顔を歪め、今にも泣き出しそうだ。アンジールはよくやったと褒めながら、クラウドの頭を撫でた。


ふと、クラウドの直ぐ上空で、赤く光るものがゆっくりと落ちてきた。何事かとアンジールを始め、一気に緊迫した空気が辺りに満ちるが、それはとても優しい光を放っていた。
その光に向かって、クラウドは手を伸ばす。差し出した手のひらの中に、赤い宝玉があった。


「……マテリア?」


オーディーンと同じ、赤い宝玉。ザックスが言っていたマテリアという物だ。
頭の中に聞こえてきたオーディーンの声に、クラウドは反復するようにそれを言葉にした。


「ばはむーと?」

「バハムートだと!?」


ぎょっとしたアンジールを余所に、クラウドは此方を見つめていたドラゴンに言葉をかける。


「くれるの?」


ドラゴンの首が、ゆっくりと頷いたように動く。そして、孵化したばかりの子を首に乗せ、ドラゴンはその翼を広げた。


「……ありがとう」


バサリ、バサリと翼をはためかせ、ドラゴンは空に帰っていった。




***




全てが終わり、下山しようとした時だった。


「あー、すまない。出来れば、ここでクラウド君と話したいのだが」


アンジールはクラウド達を引きとめ、話を切り出す。村へ戻れば村長達に聞かれてしまう可能性があると、アンジールは断ってくれた。


「……なに?」

「ザックス達が君を探していたのは聞いているか?」

「うん」

「俺達は将来有望の者をスカウトしている。君をどうかスカウトしたいのだが」

「すかうと……?」

「スカウトとは秀でた者を仲間に誘う事だ。どうか俺達と一緒に来てもらえないだろうか」

「え……?」


来るとはどういう意味だとクラウドは混乱する。


「俺達と一緒に、戦わないか?」


にっこりと笑いながら、アンジールはその手をクラウドへ差し出す。
混乱しているクラウドは硬直していた。誘われるとか、そういった事など経験した事がないのだ。しかし、クラウドの混乱を尻目に、セフィロスが現実を突きつける。


「お前はドラゴンの存在を村に隠していたな。それは村を危険に晒す行為だ。村の住人がお前を放っておくと思うか?」


途端、ビクリと肩を揺らすクラウドに、アンジールがセフィロスに何を言い出すんだと咎める。


「お前は村から厄介者扱いを受けているのだろう? 村長がお前の事を"疫病神"と言っていた。お前は今回の件で、あの村に住み続けることは更に難しくなった」

「…………」

「おい、おっさん!」


クラウドを苛めるなと噛み付くザックスを、セフィロスはジロリと睨み黙らせた。


「お前はもう、あそこには居られない。だから俺達と来るんだ」

「え……?」

「お前のその力は、あの村では恐れられる。だが俺達の傍なら、その力は有難いものへと変化する」

「あり、がたい……?」

「そうだ。俺の傍で、その力を育め」

「ちょ、ちょっと待った!!」

「……なんだアンジール」


邪魔をするなと言わんばかりに不機嫌になるセフィロスに、アンジールは慌てながらセフィロスを止める。


「お前にクラウド君は任せられん!!」

「……どういう意味だ」

「え、アンジール。それって……」


事の成り行きを見ていたザックスが、思わず口にする。まさか、とザックス達を始め、部下達の顔は喜びに溢れていた。


「あー、ごほん。クラウド君、どうか俺の元に来ないか。ザックス達もいて、うるさいかもしれんが……」

「うるさいってなんだよ!!」

「黙っていろ、ザックス。オーディーン……さん? 達も、一緒に来て貰えると、その、嬉しいんだが」

「……オーディーンも?」

「そうだ」

「ゲリとフレキも? フギンとムニンも?」

「狼達のことか? ああ、構わないぞ。君は人との付き合い方を、これから学ばなくてはならない。それは、あっちの男では些か不安でな」

「……おい、アンジール」


さり気無く酷い事を言っているとセフィロスが主張するが、アンジールはお構い無しに続ける。


「クラウド、君のその力はとても凄いものなんだ。周囲はそれを恐れ、そして欲しがるだろう。君はその力の使い方を学び、向き合わなくてはいけない」

「……うん」


アンジールが何をいわんとしているか、クラウドにはわかっていた。何れにせよ、ドラゴンの存在が知られた今、あの村へ帰る事はできないだろうと予感はしていたのだ。


「……些か不満はあるが、まあいい」


クラウドの心が決まったのがわかったのか、セフィロスは不満を洩らすが、それだけで終わる男ではなかった。


「いずれ俺が貰う。絶対に」


ニヤリと言い放った英雄に、アンジールやザックス達が一斉にクラウドを背に庇い、絶対お前にはやらん!! と言い放ったのだった。




***




村に帰れば、静かな町並みが、村の住人と神羅の兵士で溢れていた。住人に怯え、不安になるクラウドを、ザックスが大丈夫だと慰める。


「スカウトに成功したんですね」

「ああ。あと、土産だ」


どさり、と地面に放り投げられた密猟者達に、ツォンが訝しげな顔をする。


「こいつらがドラゴンを狩り、ニブル山に追い込んでいた」

「……ドラゴンだと?」


村長が驚愕に顔を歪ませた。


「ああ、言っていなかったか。俺達はソルジャーの回収とドラゴンの討伐に来ていた。その原因がこいつらだ」

「な、なんだと……?」

「おい、こいつら、以前クラウドが助けてた奴じゃないか?」


村の住人は密猟者達の顔を覚えていたようだ。それに気付いた村人達が、一斉にクラウドを糾弾し始めた。それにまるで慣れているかのように、クラウドの表情はふっと無表情になった。


「おい、やめろ!」


アンジールが怒る。そして、殺気の篭った声で、アンジールは真実を伝えた。


「クラウド君は確かに密猟者達を助けたが、同時に村を守っていた」

「……村を守っていた?」


アンジールの言葉に、ハッとなって顔を上げたクラウドは、やめて、と叫ぶ。


「しかしクラウド……」

「オレは大丈夫。だまってたの、本当だし……」

「……そうか」


クラウドとアンジールのやりとりを交互に見ていた村人達だったが、次第に口々にクラウドを罵り出した。それにアンジール達の顔が怒りで歪む。しかし、セフィロスは違っていた。


「この子供がいることでお前達が不安ならば、この子供は俺達が貰い受ける」

「なに……?」

「もうここに用はない。行くぞ」


笑顔でそう言った英雄に、村人達は何か不安に駆られる。自分達は何かとんでもない事をしてしまった様な、そんな不安に駆られてしまった。それを裏付ける様に、村長が慌てて追いかけてきた。


「ま、まて……! クラウドを連れて行くな!!」

「お前達を危険に晒した子供だと、先ほどお前達はこの子供を糾弾していたな。安心しろ、もうこの村には関わらせない」

「待て……!! 待ってくれっ!!!」

「さあ、帰るぞ」


そう言ってクラウド達をヘリに向かわせたセフィロスは、残る神羅兵に向かって、クラウドの家を指差した。


「あの家に残っている私物をミッドガルまで運べ。受取人はアンジールだ」

「了解しました!」


ばたばたと走り回る神羅兵は村人達にはお構いなしに作業に没頭し、ソルジャー達はヘリに乗り込み、ニブルヘイムを後にした。

ニブルヘイムに残ったのは、青褪めた村長と村人だけだった。




***




「……あの村長、何か隠していましたね」


ツォンの一言で、セフィロスが笑う。


「そうだろう。あの子供は、村の守り神だからな」

「は?」

「オーディーンは召還獣だが、神としてその名が残っている。戦争を示す名だが、戦争に勝ってきた勝者の名だ」

「……」

「クラウドの家系は、あの村にとって巫女的存在だったはずだ。現にニブル山の巡回をし、村を守っていた」

「そうですが……」

「山の均衡は崩れた。止める者がいなくなった痩せた山の獰猛なモンスターは、餌を求めて村へ降りて来るだろう」


笑いながら、セフィロスは続けた。


「ニブルヘイムは、近いうちに必ず滅びる」


自業自得だ、とセフィロスは言った。







その後、セフィロスとアンジールの任務は、既にドラゴンの孵化が終わり、その場には何も残されていなかったと記された。
いいのか……? と、アンジールの良心の呵責が起き、苛まれたがセフィロスの一言で払拭された。


「俺が何故、科研どもの言う事を聞かなきゃならん」


心底嫌そうに答えるセフィロスに、アンジールは大笑いしてしまった。






クラウドはアンジール達と一緒に住みながら、ザックス達と共に学ぶことになった。


新しい生活がここから始まり、そしてこれからもクラウドは奮闘していくのだった。














お付き合い、ありがとうございました!!

拍手[18回]

ちびっ子クラウド奮闘記。15

セフィロスが放った一言に、アンジールはわなわなと震えだす。任務とはいえ、このままではただの人攫いと同じではないか。
しかもあのセフィロスが子供の能力に惚れ込んだのが嫌でも分かった。それを説得するでもなく、まるで物の様に欲しいなどと言い出したのだ。弟子の命の恩人であるクラウドの、並々ならぬ危機ではないかと案じてしまう。

セフィロスは神羅でその地位を築き上げている。英雄と謳われ、その行動は正義だと信奉している者達で溢れかえっている。
ザックスの事前の連絡で、クラウドは孤児であることが分かっていた。セフィロスがクラウドの能力を買って保護したとすれば、それは美談として世に伝わるだろう。

だが、それがクラウドの為とは思えないのもまた事実であった。しかし子供に拒否権は無いのが現実だ。周囲の大人が決めてしまえば、子供はそれに流されざるを得ない。それにセフィロスはカリスマ性はあっても、個性が強すぎて人との付き合いが上手い方ではない。どちらかといえば相手が合わせるのが当然という立場にいる。現に上はそれらを考慮した上で、セフィロスに弟子を取らせていない。セフィロスに教育ができるとは思えなかった。そして更に子供の美貌が問題だ。セフィロスに稚児が出来たと噂が立つのは目に見えていた。


アンジールは義理堅い男であった。弟子達の命の恩人に、自分達は恩を仇で返しているこの現状に気付く。任務なら仕方がないと思えるかもしれないが、任務遂行にも色々な手段があって当然だ。しかし交渉するまでもなく、まるで物として扱うような予感がセフィロスから漂っている。


「セフィロス、人攫いの様な真似はするなよ」

「タークスに任せておけば、それこそ子供を攫うのではないか?」


確かにタークスならやるだろう。だが、何故ダメなんだと言わんばかりの顔をしたセフィロスに、アンジールのこめかみに青筋が浮き出る。
タークスがやるから自分もやっていいなどという事柄を、アンジールが許すはずも無い。


「お前は俺に説教されたいとみえる」

「……それは御免こうむりたいな」


冗談だ、とセフィロスは肩をすくめてみせるが、アンジールはそれが冗談ではないことに気付いていた。今までにないセフィロスの食いつきを見れば、誰もがそう思うだろう。
クラウドは確実にタークス、もしくはセフィロスによってこれからの人生の選択を強引に決められてしまうだろう。
部下の命の恩人であり、そして年若い芽をソルジャーという過酷な道へと強引に進ませたくは無い。

だが、己も選択を迫られると予感していた。だがセフィロスと同等に、前代未聞の若葉をこの手で育ててみたいという興味がアンジールにも出てきているのは事実だった。





セフィロスとアンジールは悠々と会話しているが、互いの相手はオーディーンとドラゴンだ。器用に攻撃を掻い潜りながら、なにやら話し込んでいる。
よくもそんな余裕があるなと思いながら、ザックス達は目の前に敵に必死に応戦していた。

1stソルジャー達は1対1ではあったが、2nd達は四人固まって敵と対峙している。二頭の狼と二羽のカラスが相手だ。はっきり言って非常に不利だった。なによりカラス達の防御が堅い。そして更に狼達の攻撃に、じわじわと追い詰められていた。

何より、ドラゴンの巣に卵と共にいるクラウドが彼らの回復を常に行っていた。状態異常もダメージも瞬時に回復されてしまい、あまつさえ防御系の補助もするのだ。
こういう場合、術者を先に手を打ちたいが、それこそ狼やカラス、そしてオーディーンとドラゴンを掻い潜らなければクラウドへはたどり着けない場所にいた。

シスネもフォローに回ってくれるが、タークスはソルジャーよりも戦闘に秀でているわけではない。それはシスネ自身もわかっているので、どちらかといえば回復の方に回ってくれていた。


「あーもう! キリがねーぞ!!」


永遠と繰り返しそうな状況に、ザックスがたまらず吠えた。自分達が力尽きるのも時間の問題だ。膠着状態の打開策はもう、セフィロスとアンジールにしかない。





しかし、ソルジャー達とオーディーン達が総出で戦闘していた隙を、狙われた。




***




諦めてほしい、帰って欲しいと願うのに、ザックス達はその手を緩めようとはしなかった。
膠着状態に陥ってしまい、クラウド自身もどうしていいかわからなくなる。
クラウドが攻撃してしまえば、この場は一気に片がつくだろう。そうしなければいけないのに、クラウドにはどうしてもできなかった。



人々に忌避される事に慣れきってしまって、クラウドはザックスの言葉を信じられなかった。
自分と友達になって欲しいと初めて言われたのに、人間不信に陥ってしまっていたクラウドには、ザックスを突っぱねる言葉しか出てこなかった。

ザックスは余所者だ。ケガが治れば帰ってしまうとわかっていたからこそ、友達になったところで意味が無いと思っていた。


人と向き合えないと漠然とながらも理解しつつあったクラウド自身には、ザックスは眩し過ぎたのだ。





オーディーン達の戦闘に時折回復魔法を挟みながら、クラウドはずっと戦闘を見守っていた。意識がそちらへ向いてしまっていて、その近づいてくる気配に気付くのに遅れた。

背後でドラゴンの巣の藁を踏みしめる音に気付いたクラウドは、弾かれた様に振り向き、目の前にいた男達に絶句する。


二ヶ月前、ドラゴンから助けたあの男達だった。まさか、ずっとこの機会を狙っていたのだろうか? 執拗な男達に青ざめながら、とっさにクラウドはその胸に大きな卵を抱え込む。


「おい、卵を寄越せ!!」

「……っ!!」


抱きしめた卵を力任せに奪われそうになり、クラウドは思わずサンダーの魔法を男達に放った。


「ぐああっ」

「この……っ! クソガキが!!」


男が持っていた銃の銃底で、クラウドは額を強打された。


「あ……っ」


衝撃にくらりと視界が歪む。だが、ここで意識を飛ばせば、男達に卵は奪われる。クラウドは唇を噛み締め、またもや男達にサンダーを浴びせた。男達から悲鳴が上がったその隙に、ここから逃げなければと卵を抱えて立とうとするが、卵が予想以上に重く、子供の腕では持ち上がりそうにない。


「くっそ、この化け物が……!!」


銃底でクラウドを殴りつけた男は、持っていた猟銃の銃口をクラウドへと向けた。




***




ふと、クラウドの支援魔法が止んだ。その隙をザックスが転機と思ったその時にその音はした。
クラウドがいた巣へ、雷撃が落ちたのだ。何事かと目をやれば、そこには見知らぬ男達から、必死に卵を守るクラウドがいた。


「クラウド!!」


狼達の攻撃を掻い潜り、ザックスは無理だと思われていたドラゴンの巣まで一気に走り抜ける。
ザックスの尋常では無い様子に、セフィロスを始め、オーディーンや他の者達もそれに気付いた。

目の前には銃口をクラウドに向ける男がいた。


「うおおおおおおお!!」


ロングソードをひるがえし、ザックスは一気に間合いを詰めた。








キィン、と弾かれるような音がした。

男から銃口を向けられ、クラウドは腹に卵を庇いながら男と卵の間に蹲る。撃たれると思っていたクラウドは、待てども衝撃が無いことに気付いた。恐る恐る目を開いて顔を上げた先には、自分を庇って立っている男の背中が見えた。


「……どう、して?」


自分と友達になって欲しいと両手を合わせてお願いしてくる男がそこにいた。




男は何が起きたかわからなかった。自分が持っている猟銃の先が短くなっている。
一瞬で子供との間に入ってきた男は、蹲っている子供を庇うように体勢を低くし、下から見上げるように男を睨みつけていた。


「おい、アンタ。命の恩人に何してんだ」

「ヒ……ッ」


まだ10代に見える子供から迸る殺気に、男の悲鳴は裏返る。手に持っていた猟銃は、ザックスのロングソードで見事なほどに真っ二つになっていた。そしてこの殺気。これがソルジャーなのかと男は化け物を見るような目でザックスを見る。

後ずさる男の後ろで、クラウドのサンダーに撃たれ倒れていた男達の意識が戻る。それに気付いたクラウドがザックスに教えようとした、その時だった。


オーディーンの愛馬のスレイプニールが上空から駆けつけ、男に頭突きを食らわせたのだ。
ドゴッ!! という、いい音と共に、男は数メートル先まで吹き飛ばされていた。そして後から駆けつけた狼達が唸り声と牙をむき出しにし、残りの男達に襲い掛かる。カラス達からは火炎放射やレーザーが口から迸っていた。

狼達の殺気と攻撃が尋常ではない。男達に浴びせる攻撃が、自分達と戦っていた先ほどとは雲泥の差がある。もしかして手加減をされていたのではないかという疑念が浮かび、呆気にとられるザックスの元へカンセル達が走ってきた。


「大丈夫か!?」

「クラウド、無事か!!?」


エッサイとカンセルの言葉に、ザックスもクラウドへと振り向く。クラウドは額から血を流しながら、呆然とザックスを見上げていた。
セバスチャンがザックスと共に、まだ周辺に敵がいないかと警戒しながらクラウドを励ました。


「大丈夫か? もう心配いらないからな!!」

「クラウド、傷を見せてくれ」


カンセルがしゃがみ込み、クラウドの傷口を診る。クラウドの強打された額は赤く腫れ、血が吹き出ている場所は青黒く変色し始めていた。
カンセルの手から癒しの光が溢れ出す。不思議と痛みはあまり感じていなかった。クラウドはただ、呆然と自分を取り囲むソルジャー達を見つめていた。


「頭痛がするとか、視界が歪むとかはないか?」


カンセルの質問に、クラウドはふるりと首を振る。どうして自分を助けるのか理解できないクラウドは、ぎゅっとその手に抱く卵を、無駄だと分かってはいても少しでも隠そうとした。


「クラウド、心配しなくていい」

「え……?」


にこりと微笑んだカンセルに、クラウドはまたしても呆然となる。そして、お兄ちゃんと慕っていた四人が、クラウドを背にセフィロス達へと声を張り上げた。


「すみません、サー! 俺達はサーの任務を妨害します!!」

「この子は俺達にとって命の恩人でもあります。俺達の誇りです」

「恩を仇で返すような事はしたくありません!!」

「悪いなアンジール! おっさん、あんたにクラウドと卵は渡すかよ!!」


四人の掛け声に呆気に取られたアンジールとセフィロス。そしてクラウド。
そして同じくセフィロス達と対峙し、硬直状態から動けなかったオーディーンとドラゴンから、一気に殺気が消えた。

この密猟者達に殺気を向けていれば、狼達は攻撃してこないという事に気付いたシスネは、やれやれと言いながら狼達をシッシッと追い払いながら男達を拘束し始めていた。
狼とカラスは、どうも手加減がわかっているらしい。だが男達を半死半生にしながらもクラウドを傷つけられた怒りは収まらない様で、いつまでも唸り声を上げていた。


「……セフィロス」

「なんだ、アンジール」

「俺も部下に賛同だ。俺の部隊は、何よりも誇りを重んじるように躾けているからな」

「……」


ジロリ、と眉間に皺を寄せたセフィロスがアンジールを見る。一気に機嫌が悪くなったな、とアンジールは吹き出した。







目の前で起きていることが、クラウドには信じられなかった。あの銀髪の男に、ザックス達は自分と卵を渡さないと言ってくれている。


「どうして……?」


クラウドの呆然とした呟きに、ザックスはクラウドを振り向き、二カーッと笑った。


「俺達、トモダチだろ?」


太陽の様に、その笑顔は眩しく見えた。












次でラストです。

宜しければどうぞお付き合い下さると嬉しいです。

拍手[8回]

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