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時たまラクガキとテキストを綴ってる腐った日記です。此方で頂いたコメントのお返事は、PCサイトのお返事と共通させて頂いています。お手数ですがリンクからご移動下さい。

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ちびっ子クラウド奮闘記。8

「うそつき」


ボソリと吐かれた言葉は、ザックスの胸を抉った。






***






「村長! た、大変だ! 神羅が……!!」


息も絶え絶えに村人が駆け込んで来て、家の戸口でそう叫んだ。
村長は、たまたま隣に居あわせた村人達と目を合わせ、村人が指を指す方向を見る。そこには軍用車両数台が土煙を上げながら村に向かっているのが遠目でもわかった。上空にはヘリが三機も飛んでいる。まるでこの村に攻め入る様な光景だ。

突然の出来事に村人達は呆然と見守るしか出来なかった。村の入り口の手前で装甲車が止まり、中から次々と神羅兵が降りてくる。兵士の数は大よそ10名満たない程度だったが、列を作り点呼を取り始めたその横に止まった高機動車から降りてくる人物の中に一人、目立った風貌の男が姿を現した。

銀の長い髪を風になびかせながら、長身の男がゆっくりと村の方へ目を向ける。


「英雄、セフィロス……?」


聞こえないはずの村長の呟きがまるで聞こえたかのように、ふっと村長達に顔を向ける。
目が合った、と感じた瞬間、村長の背中にぞわりと悪寒が走った。恐怖とも畏怖ともつかないそれに、村長は全身に冷や汗をかく。

ヘリから降りてきたのはスーツ姿の男女だった。軍隊の中でスーツ姿というのは酷く目立つ。
そして、そのスーツの二人とセフィロスともう一人、大きな剣を背負った男が村へ先頭に立って村へ入ってきた。この男の服装は村にいるソルジャーと同じものだから、この男もソルジャーだろう。他の兵士は、村の外で待機しているようだ。


「な、何の用だ。あんた達……」

「驚かせてすまない。うちのソルジャーが四名、そちらで世話になっているはずだ」


大きな剣を背負ったソルジャーがそう切り出した。クラウドの家で世話になっていると言っていた男が言っていた迎えとやらだと気付いた途端、村長が怒鳴った。


「な、なんのつもりだ! あんた達はあいつらの迎えじゃないのか!? まるで村に攻め入るみたいじゃないか!!」

「確かに迎えでもあるが……」

「アンジール。あの駄犬を先に連れ出した方がいいんじゃないか?」


セフィロスの一言に、アンジールは溜息をこぼす。駄犬はやめろと何度も言っているだろうと溢し、四名のソルジャーの居場所を村長に聞く。


「そ、そこの家だ。さっさと連れて帰ってくれ!」

「確かに連れて帰るが、我々はもう一人だけ用がある」


今度はスーツ姿の男がそう切り出した。その横でセフィロスは自分は用は無いとばかりにソルジャー達がいる家へと向かって行く。おい、待てと、もう一人のソルジャーの男がセフィロスを追って行った。
唖然としながら村長はそれを見送りつつ、スーツの男が言った言葉を繰り返した。


「もう一人だと……?」

「クラウド、という少年がこの村にいるはずだ。彼に会いたい。それと彼の事を教えてもらおう。抵抗や拒絶は認めない。すればそれなりの対処をする」

「な……!」


村長と、その後ろにいた村人達は目に見えて真っ青になった。





***





「……?」

「クラウド? どうした?」

「外が……うるさい気がする」

「き、気のせいじゃないか? それよりさ、いい加減に俺と友達になってよ、お願いだって」

「きょうみないね」


ここ最近、毎日のように繰り返される言葉のやりとりは既に見慣れた光景と化してきた。
ただ最初と違うのは、戸惑いながら恥らっていたクラウドが、しょぼくれるザックスを面白がってザックスのお願いを拒否している所だろう。
この年齢の子供が見せる天邪鬼な所が少しだけ出てきたクラウドに、ソルジャーの四人は微笑ましさを覚えていた。

だが、それも今日までなのだと、四人の胸の内は複雑だ。外のざわめきの理由はわかっていた。


コンコン、と扉をノックする音がした。その音にクラウドは目を見開いた。この家に人がやって来ることなどないと、その顔が物語っている。それに複雑な思いをしつつ、ザックスが立ち上がってクラウドに言った。


「俺達のお迎えが来たみたいだ」

「………」

「クラウド、ドア開けてもいいか?」

「……うん」


途端、俯き無表情になるクラウドに、四人は胸を痛める。
クラウドは誰よりも別れの意味を分かっている。だからこそ無表情を努めるのだろう。
カンセルが扉へ向かっていったその横で、ザックスがクラウドの目線に合わせてしゃがみ、話をする。


「なあ、クラウド。話があるんだ」

「……」

「これから、凄く悲しい話をしなくちゃいけない」

「………わかってる」

「いいや、違うんだクラウド。俺達のお別れの話じゃないんだ。クラウドが大事に見守ってる奴のことだよ」

「え?」

「俺達が怪我をした理由を、俺達は言わなきゃいけなかったんだ。ごめん……」

「……どういうこと?」

「ドラゴンは俺達が討伐するということだ」


途端、戸口の方から聞こえてきた声に、クラウドはビクリと肩を揺らし声のした方へ顔を向けた。そしてその大きな目を見開いた先にいたのは銀髪の男。


「おっさん、アンジール……」

「……だれ」


警戒心丸出しのクラウドに、ザックスは顔を歪めながら事実を伝えた。


「おっさん達は、俺達よりも”強い奴”」


ザックスの言ったその意味が分かったクラウドは、再度セフィロスを見る。ザックスたちは言っていた。ドラゴンが目的だったら、自分達より"強い奴"が来る、と。


「なんで? お兄ちゃん達は、ドラゴンが目的じゃ無いって言った!」

「俺達の目的はクラウドを見つけることだった。それは間違いじゃない、だけど……」

「あー、話の腰を折ってすまないが、きみがクラウドか?」


険悪になりつつある空気を、アンジールはわざと変える。クラウドからは鋭い睨みと、無言の返事しか返ってこなかったが、ザックスは頷く。

アンジールはクラウドの目線までしゃがみ、にこりと微笑んだ。


「俺の弟子達の命を救ってくれてありがとう。本当に感謝する」


そう言って、アンジールはクラウドの手を握り、己の額にその手を当て、祈りを捧げる風に頭を下げた。その姿は、アンジールがバスターソードに祈りを捧げる姿と同じだ。

急に感謝の言葉を言われると思っていなかったクラウドは戸惑っていた。そして、暫くしてボソリと別に……と言い、顔を少し赤らめた。その瞬間、険悪になりつつあった周囲の空気が霧散した。それに気付いたセフィロスを除く周囲のソルジャーは安堵する。

その体勢のまま、アンジールはクラウドの説得を試みた。


「ザックス達は、怪我をした理由を俺達に報告しなきゃいけなかった。そしてドラゴンがいる場所がとてもまずい場所にいることがわかったんだ。このままだと、村が危ない。だから俺達が来た」

「ドラゴンは村へは来ない、そう約束した!! 卵が孵れば、ここから出てくって」


アンジールの説得に、クラウドがそう叫んだ。すると、それまで黙っていたセフィロスが急に身を乗り出し、細いクラウドの肩をわし掴む。


「お前が"約束をした"相手は誰だ」

「な……」

「お前は誰と”約束をした”? ドラゴンではないのだろう? いや、何かを介して"約束した"はずだ」

「セフィロス!!」

「やめろよ、おっさん!」

「お前が相手を言わなければ、俺はドラゴンを葬る。そして卵は貰うぞ」


ニヤリと言い放ったセフィロスにクラウドは青ざめた。霧散したはずの険悪な空気が戻ってくる所か、最悪なものへと変化した。その変化は、クラウドの顔に顕著に現れる。

無表情になったクラウドは、アンジールの手を振りほどき、ザックスに向かって言い放った。


「うそつき」

「ク、クラウド……」

「ともだちは、こんなことしない!!」


目を見張ったザックスを尻目に、クラウドは外へ飛び出した。
まずい、捕まえろとアンジールが命じながら、ザックス達も急いで飛び出す。クラウドはニブル山の方へと走っていった。
子供の足ならば追いつくことは簡単だ。ザックス達がソルジャーの本流を発揮しようとしたその時、強い魔法の波動を背後から感じた。ソルジャー達は、ぎょっと身を竦ませる。


「何……!?」


アンジールは目の前の光景が信じられなかった。まるでクラウドを浚うように、後ろから六本足の馬が駆け抜け、その馬に乗った大きな体躯の騎士がクラウドを掬い上げたのだ。
そのままオーディーンとクラウドを乗せた馬は空を駆け、ニブル山の頂上へと消えていった。

クラウドの家の前にいた村人達とタークスの面々も、その光景を目撃していた。
呆然と見守るその中で、村長だけが頭を抱え叫び出す。


「あの疫病神が……!」


その叫び声で、奇しくも周囲の人々は正気に返ったのだった。





***





「どういうつもりなんだよ、おっさん!」

「ザックスやめんか!」


ザックスはセフィロスに食ってかかった。前もって電話で伝えていたことが全部無駄だったとザックスは怒る。


「吠えられる元気があるなら大丈夫だろう。案内しろ」

「は? 何言ってんだアンタ」

「ドラゴンがいた場所まで案内しろと言っている。あの子供が向かった先はそこだ。急がなければ、子供がドラゴンをけしかける可能性があるぞ」

「なんだと!?」


ドラゴンが殺されると知った子供がどういう行動に出るか想像に容易い。この場から逃がそうとするなら、どうするか。ドラゴンがこのニブルヘイムに逃げるに至った行動と同じ事をするのは当然ともいえた。そして攻撃されたドラゴンが怒り、村へ報復しにくる可能性も捨てきれない。


「ドラゴンを攻撃して逃がそうとする……?」

「その可能性が大きい。だが、子供の言い分だとドラゴンとも意思疎通ができそうなそぶりだが」

「セフィロス、先ほどお前が言っていたのはどういうことだ?」

「色々と検証する必要はあるが……、ツォン」


セフィロスに呼ばれたツォンが、一歩前に出る。それを横目で見ながら、セフィロスは伝える。


「そこの男は子供と召還獣の関係を少なからず知っているはずだ。吐かせろ」

「了解しました」

「セフィロス……?」

「御伽噺の検証をする必要がある。火の無い所に煙は立たぬとはよく言ったものだ」


セフィロスは正宗を携え、ニブル山を見据えて笑う。その実に楽しそうな様子に、アンジール達は嫌な予感が隠し切れない。

一方、クラウドとオーディーンの関係性を吐かせる為に神羅兵に拘束された村長の顔は、死刑宣告を受けたかのように真っ青になっていた。











やっとセフィロスとクラウドが出会ったー!!!わーい!
なんかもう、クラウドとオーディーンの設定がバレてる気がしなくもないですが、謎解きを楽しんでるセフィロスが書けたらいいなって思います。

まあ、ありきたりな設定なので、バレバレだと思うのですが、見守っていてもらえると嬉しいです。頑張ります。

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