クラウド部隊が発足してまだ間もない頃、近場であるミッドガル荒野で簡単なサバイバル訓練を行うことになった。
クラウド部隊は、少人数で構成された部隊の中でもメンバーが隊長であるクラウドを入れて全員で4名+チョコボの2匹。こんな部隊で長期任務となると殆ど1stソルジャー達の付き添いだ。
しかしチョコボの特性を生かし、マッピングの仕事などが舞い込んでくるようになった。
部隊の人数が少なければ少ないほど、一人が分担する仕事の量は増えて当たり前だった。
皆付き合いが長いとはいえ、各自の得意不得意の把握というものは難しい。そういった所もこの訓練を通して把握する目的もある。要は訓練とは名ばかりの親睦会だ。
周辺のモンスターを狩り、血の匂いを避けて風上へと移動した。野宿するための場所を確保し、各自がテントを張る。互いに声を掛け合い、仕事を分担していた。
食事はレーションが基本だが、今回は殆どピクニックに近い。
料理が趣味のセバスチャンが食事の準備をしていた。どうやら定番のカレーを作るらしい。
薪を集めてきたクラウドが、他に仕事はないかと無言でぐるりと周囲を見逃したのをセバスチャンは見逃さなかった。
「あ、隊長。ヒマ?」
「……調理の手伝いなら断る」
セバスチャンの手元を見たクラウドは眉間に皺を寄せながらそう言った。これにセバスチャンとエッサイが驚く。クラウドはどちらかというと、お願いごとをすると大抵聞いてくれるのに珍しい。
それを横で見ていたカンセルが苦笑する。
「あー、クラウドは料理が苦手なんだよ」
「えっ!? マジすか」
「……」
最年少の最強ソルジャーが、こんなことが苦手だったなんてとエッサイとセバスチャンは目を丸くした。
「クラウドは類似のモンスターの区別はつくのに野菜の判別が壊滅的なんだ」
「……カンセル」
クラウドがカンセルをじろりと睨む。それを見ていたエッサイが慌てて助け舟を出した。
「あ、でも俺も料理苦手だぜ。食えりゃ良いって思ってるせいかどうも適当になるんだよな」
「エッサイ、クラウドはそんなレベルじゃない。キャベツとレタスの区別もつかなければ長ネギと玉ねぎも間違うんだ」
「長いネギと丸いネギの区別くらい流石につくぞ」
ムッとしたクラウドが反論するが、キャベツとレタスには触れないでいた。どうやらこれに関しては未だに分からないらしいと3人は気付く。
「隊長マジでそのレベル?」
「最強ソルジャーがおつかいにも行かせられないとか!」
「クラウド……」
3人が驚愕している。気まずくなったのかクラウドはぼそりと、おつかいなんて興味無いねと呟いた。
「食材切るのは上手そうなんだけどなぁ」
「それなら問題ない」
それぐらいは簡単だと自信たっぷりに言うクラウドに、3人は確にと笑う。
モンスターをあれだけ細切りに出来るのだ。みじん切りとか凄く上手そうだと3人は笑った。
「隊長、じゃあ人参の乱切りお願いできるか?」
「乱切り……?」
首を傾げるクラウドに、3人はまさかと息をのんだ。
「凶切りでいいか?」
ナイフをくるりと回したクラウドを、3人は必死で止めたのだった。
クラウドは料理全般壊滅的なイメージ。
[8回]